2019年2/5で、SAI-Lab株式会社を設立してから1年になります。
なんとか、最初の1年を乗り切ることができました。
この一年、書籍の執筆やUdemyコースのリリース、企業研修やE検定の講師、大学での公演、技術イベントでの登壇など様々な活動を行ってきましたが、反省点も多くあります。
今後もミッションである「ヒトとAIの共生」を見据えて、AIに関する研究と教育を行ってきますので、皆様今後ともよろしくお願いいたします。
今年度の課題は、教育のみではなく研究の方でも実績を残すことです。
2019年2/5で、SAI-Lab株式会社を設立してから1年になります。
なんとか、最初の1年を乗り切ることができました。
この一年、書籍の執筆やUdemyコースのリリース、企業研修やE検定の講師、大学での公演、技術イベントでの登壇など様々な活動を行ってきましたが、反省点も多くあります。
今後もミッションである「ヒトとAIの共生」を見据えて、AIに関する研究と教育を行ってきますので、皆様今後ともよろしくお願いいたします。
今年度の課題は、教育のみではなく研究の方でも実績を残すことです。
神経学者デイヴィッド・J. リンデンの著書、「脳はいいかげんにできている」を久々に読みました。
この本によれば、脳には以下の進化上の制約があるとのことです。
すなわち、脳は増築を繰り返した建造物のようなものであり、最適化されたものであるとはとても言えません。
例えば産業用のロボットであれば、目的に沿ってプログラムは最適化されますが、脳はそのような進化を遂げてはいないようです。
信頼性が低く、処理速度も遅いニューロンの、膨大な集合体であり、進化の過程でパフェのように次々と外側に層が足されていった構造をしています。
これを短い言葉で表すと、「冗長」「つぎはぎ」などがしっかりとくるのではないでしょうか。
現在、人工知能のメインストリームは目的に沿った最適化ですが、あえて冗長にすることでより脳に近いものができるかもしれません。
「意識はいつ生まれるのか」で扱っていた「意識」は、この冗長性が重要に思えます。
統合情報理論の提唱者による本。
ネットワークが分断され過ぎでもなく、密すぎでもいないときネットワークには複雑な因果関係が生まれ、それが「意識」の源泉になっていることを理論、実験ともに示しています。
磁場により脳に直接与えた刺激は、「意識がある」状態では脳内で複雑な因果関係を伴うパターンのトリガーとなり、「意識がない」状態では単純なパターンしか起こしません。
それのみが意識の原因とは限らないようにも思えますが、巨大なネットワークにおける複雑な因果関係が意識の源泉であるならば、コンピュータ上にこれを再現することは困難で無いようにも思えます。「人工知能」から「人工意識」へ、考えをよりコアな方向へ向ける必要性を感じました。
そもそも、「科学」って何でしょうか?
改めて考えてみて訳が分からなくなったので、考えを整理するために「科学的思考」のレッスンという本を読みました。
「科学的思考」のレッスン 学校では教えてくれないサイエンス (NHK出版新書)
この本によれば、科学におけるより良い理論や仮説の基準は以下の3つとのことです。
①より多くの新規な予言を出してそれを当てることができる
②アドホック(その場しのぎ)の仮定や正体不明・原因不明の要素をなるべく含まない
③すでに分かっている多くのことがらを、できるだけたくさん、できるだけ同じ仕方で説明してくれる。
以下は僕自身の考えですが、結局、科学とは世界を一貫して繋いでくれる、常に疑われ続け継続的に更新される物語のようなものかと思います。
常に疑われ続ける、故にロバストな体系なのでしょうね。
物語である以上文学やアートの要素も必要であり、美的感覚が大事なのではないでしょうか。真理へは絶対に届かないのですが、人類はより真理に近いストーリーを求めようとします。
科学は「技術」と相性がいいため、よく「科学技術」と一緒にして扱われます。科学にとって技術は検証であり、技術にとって科学は根拠となります。
2018年、12月28日、東北大学金属材料研究所で講演をしました。
タイトルは、「ヒトとAIの共生、そしてシンギュラリティ」です。
東北大での講演が今週の金曜日に迫りました。
— 我妻幸長@著書「はじめてのディープラーニング」発売中 (@yuky_az) 2018年12月26日
資料作りが佳境に入っています。https://t.co/KTlcLcDZ77
仙台に到着です。
— 我妻幸長@著書「はじめてのディープラーニング」発売中 (@yuky_az) 2018年12月28日
早速、駅前のジュンク堂で自分の著書を探してしまいました。 #はじめてのディープラーニング
講演の最後に、参加者の皆さんに挙手をお願いしました。
これから30年後におけるAIの立ち位置ですが、以下の3つから選択していただきました。
結果は、1.が9人、2.が6人、3.が6人でした。
個人的には2.の立場なのですが、皆さんそれぞれAIに対する見方が異なるのが興味深かったです。
東北大金属材料研究所での講演、大好評でした。
— 我妻幸長@著書「はじめてのディープラーニング」発売中 (@yuky_az) 2018年12月29日
材料の研究者の方々と、様々な議論ができて楽しかったです。
来年は東京でも講演ができたらと思います。 pic.twitter.com/HCEOJKoHfv
12/28、東北大での講演に使ったスライドをアップしました。
— 我妻幸長@著書「はじめてのディープラーニング」発売中 (@yuky_az) 2018年12月30日
「ヒトとAIの共生、そしてシンギュラリティ」https://t.co/7HxeE4nVpr https://t.co/7HxeE4nVpr
発表のスライドはこちらです。
発表内で使用した動画はこちらです。
来年は論文を執筆する予定もあるので、アカデミックな方面で活動も強化していきたいと思います。