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saii-lab

「知性のルーツを発見する」がテーマのブログ。人工知能(AI)、プログラミング教育などの幅広いトピックを扱います。

備忘録: 直近に読んだ生物学関連の本5冊

生物学

1. 植物は<知性>をもっている

ステファノ・マンクーゾ (著), アレッサンドラ・ヴィオラ (著), 久保 耕司 (翻訳)
人間のような中枢神経ベースの知性が、知性の全てではないようです。
知性の一つの形態として、植物のように、各器官が相互にネットワークを形成する、分散型の知性が存在します。
人工知能を考える上で、より広い視点を持たせてくれる本です。


2. 微生物が地球をつくった

ポール・G・フォーコウスキー (著), 松浦俊輔 (翻訳)
微生物は化学物質を用いて互いにコミュニケーションを行い、社会を形作ります。また、我々の生命を支える細胞内のナノマシーンの多くは、微生物と共通のものです。環境に適応して生き残る能力は、知性と言っても差し支えないかと思います。人の脳の知性を真似るのもありだけど、ソフトウェアにはこのご先祖様から学ぶことも多くあるのではないでしょうか。

 

3. ウィルスは生きている

中屋敷均
これまで生命の進化は種に分岐する木のようなものだと想像していましたが、ウィルスなどを介した遺伝子の横移動が存在することを考えると実は木ではなく網のようなものだと考えを改めました。
海水中のウィルス粒子は1mlあたり一億個、海洋中のウィルスの総量はシロナガスクジラ7500万頭分、全部一列に並べると長さは1000万光年。
ウィルスが常に変化する生命のネットワークの中で果たす役割は巨大なものであり、もちろん我々人間も様々な形で依存しています。
病原性は、ウィルスのほんの一面でしかありません。

 
 

4. 生命のからくり

中屋敷均
同じく中屋敷先生の著書。生命と非生命の境界はどこにあるのか、生命の起源は何か。生命の本質が深く考察されている本です。DNAを正確にコピーする「動」の要素とDNAにコピーミスが生じる「静」の要素。そして、突然変異と淘汰による、生存に適した特質の世代に渡る累積。秩序と混沌の境界に、適切な環境と生命の種を置いてやれば、コンピュータ上に生命現象らしきものを発生させることができるかもしれない、そう思わせてくれる本でした。



5. 心はプログラムできるか

有田 隆也
コンピュータ上の人工生命の本です。DNAを化学的に合成することは容易ではありませんが、コンピュータ上でデータをコピーし、意図的に突然変異を加えることは僕でも容易にできます。進化のメカニズムの研究上、とても有用な手法かと想います。シンプルなコードから複雑な機能を自発的に獲得していく仕組みは、これまで数々の研究実績があるようですが、獲得できる機能はごくシンプルなものに限られているようです。心のような複雑な仕組みを進化により自己形成させるためには、どのような生命の”種”をコーディングする必要があるのか、それは人類にとってとても考える価値のあることかと思います。