SAI-Lab Blog

「ヒトとAIの共生」がミッションの企業、SAI-Lab株式会社のブログです。

「”好奇心”の実装」 -みんなのAIニュース-

今週は母校がある仙台市を訪問しました。
東京よりもずっと気温が低かったのですが、身の締まるような凜とした冷気は随分と懐かしい感じがしました。
それでは、今年最後のAIニュースを配信します。

 

1. ソニーのロボットの次世代AIとは? “好奇心”を実装する挑戦

techon.nikkeibp.co.jp

現状に”飽きる”こと、そして新しい知識を自ら探索するAIに関する記事です。
その基盤になるのはディープラーニングと深層強化学習とのこと。
一年以上前の記事ですが、AIに感情を実装しようとする一つの試みですね。
ヒトを含む生物の知性を再現する上で、感情というのは欠かせない要素かと思います。

 

2. 人間ってナンだ?超AI入門 特別編「今そこにある未来 ヒト×AI=∞」

www.nhk.or.jp

Eテレで12/29に放映されたAIの特集です。
何と、シンギュラリティの提唱者レイ=カーツワイル氏へのインタビューが放映されました。
氏の説によれば、AIがもたらす衝撃は、社会の変化などの生易しいものではなく、宇宙自体の変化と言ったほうがよさそうです。
カーツワイル氏のTEDはこちらです。

レイ・カーツワイル: ハイブリッド思考の世界が来る | TED Talk

 

3. 数学的に定義した「創造性」の実力を、人工知能が考えた「フレンチ風すき焼き」に見た

wired.jp

人工知能が考案したレシピを、フレンチの有名シェフが再現したとのこと。
その名も、「フレンチ風すき焼き」。
味の方は。。。もう一歩とのことでした。

 

4. 米スタートアップ、量子コンピューターで機械学習の実行に成功
www.technologyreview.jp

量子コンピュータによる機械学習。

新奇ではあるものの、実践的な用途はまだないとのこと。
今までとは比較にならないほどのコンピューティング能力を発揮すると期待されており、実用化のためにこれから膨大なリソースが投入されるかと思います。
しかしながら、今の段階では汎用性という意味で疑問符がつくかと思います。

 

5. 今後10年で生まれる「未来の仕事」21選

forbesjapan.com

データ関連、AI関連、ゲノム関連の仕事が多くを占めていますね。
その一方で、「散歩・会話の相手」という仕事が異彩を放っています。
ホスピタリティというものは、極めて高度なコンピューティング能力やアルゴリズムを必要とするのかもしれませんし、それとも人間が想像することが極めて困難な仕組みが背景に存在するのかもしれませんね。



多くの方に好評をいただいている、「みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習」の受講生数が、単独の講座で一万人を突破しました。
来年も引き続きAIの教育&研究活動に力を入れていきたいと思います。

それでは、良いお年を!

 

Yukinaga Azuma

「私はコネクトームである」-みんなのAIニュース-

受講生の皆様、こんにちは。 講師のYukinaga Azumaです。
遅くなりましたが、今週もAI関連のニュースをいくつかピックアップしていきます。

1. セバスチャン・スン: 私はコネクトームである

www.ted.com

7年前のTEDの動画ですが、とてつもなく複雑な脳の構造の解明に挑む研究者のスピーチです。
彼が提唱する、コネクトームと呼ばれる脳のモデルは、ゲノムと同様に個人そのものを表すものであり、記憶や意識を説明するための手がかりになるかもしれません。
計算機上のニューラルネットワークが脳の本質を捉えたものなのか、あるいは似て非なるものなのかは、現在のAIに対する本質的な問いかと思います。

 

2. 人工知能美学芸術展

https://groups.oist.jp/ja/aiaae
人工知能によるアートの展覧会、コンサート、シンポジウムなどが沖縄で開催されるようです。
アートの分野でも、ますます人工知能の侵食が進んでいます。
アートを通して、ヒトの創造性の本質的な価値が問われるようになっていくでしょう。

 

3. 「自ら学ぶコンピューター」時代の不安と期待

www.nikkei.com

AIが自己学習するようになると、AIがヒトの手を離れて完全にブラックボックス化してしまう懸念がありますね。
人類はまだAIのごく一部しか理解していませんが、ヒトとAIが望ましい形で共生するには、多くの人にAIの理解を広めることがまず大事かと思います。

 

4. 「AI学習データ作りはつらいよ」、三菱UFJや旭硝子らが議論

itpro.nikkeibp.co.jp実務でAIを利用する際に障壁になるのが、学習データの用意ですね。
画像や顧客データなどをデータクレンジングし、AIにとって把握しやすいものにしなければいけません。
機械にとって扱いやすい形でデータを整理してこなかった企業は、意外に泥臭い作業に辟易としているかと思います。

 

5. 人工知能を使って開発したトッポ ロッテが数量限定で発売開始へ

news.livedoor.com

膨大なデータから素材・味などを項目別に分析し、身近な商品の開発に繋げたようです。
具体的な手法はニュースからは分かりませんが、マーケティングや商品開発の一部を人工知能が担うようになった好例かと思います。



個人的に、来年は強化学習がより注目を浴びるようになると考えています。
強化学習は、ヒトの感情のようなものがコード化できるので、生き物らしさが扱えるとても楽しい分野です。
需要があれば、講座の開発します。

それでは、みなさん良い年末をお過ごしください。

 

Yukinaga Azuma

みんなのAIニュース: 8惑星持つ恒星系をAIが発見

今週もAI関連のニュースをいくつかピックアップしていきます。

最後に、AIを学習するための、Udemyコースの割引クーポンをを掲載します。

1. 8惑星持つ恒星系、AIで発見 太陽系と並び最多、NASA

headlines.yahoo.co.jp

NASAが、グーグルの機械学習システムを用いてケプラー宇宙望遠鏡が集めた膨大な信号データを解析したとのこと。
膨大なデータ解析が必要な天文学とAIは相性が良さそうですね。
危険な宇宙探索のミッションも、これからは宇宙飛行士の代わりにAI+ロボットが担うようになるのかもしれません。

2. グーグル、中国にAI研究センターを開設「この種の研究施設はアジア初」

japan.cnet.com北京に研究センターを開設し、ニューヨーク、トロント、ロンドン、チューリッヒのチームと連携するとのこと。
アジアのAI研究の中心は、中国と認識されているようですね。
AIは世界を大きく動かすポテンシャルを秘めているだけに、日本も遅れをとるわけにはいかないでしょう。

3. 「ハンドルもペダルもない」完全自動運転EV、来春実証へ

newswitch.jp

日本のベンチャー企業が米半導体大手のNVIDIAと業務提携し、運転席のない完全自動運転車の実証実験を始めるとのこと。
この車は、時速20キロメートル以下の低速での走行に限られるようです。
しかしながら、将来的に、車は所有するものではなく、スマホからアプリで呼び出すものになるのかもしれませんね。

4. 東博「運慶」と京博「国宝」が絶好調 ── ともに50万人超え

www.museum.or.jp

私事ですが、この前国立博物館の運慶展を訪問しました。
慈愛や激昂、優しさや内面の強さなど、木像は恐ろしいほどの表現力に満ちていました。
同時代の他の作者とは明らかに異質のもので、運慶という個人が内面に持つ力に圧倒される思いでした。
最近、アートの世界にもAIは進出していますが、少なくとも現時点では人間が優位であることを再認識しました。

5. 脳の進化的起源を解明 -脊椎動物の脳の領域化は5億年以上前に成立-

脳の進化的起源を解明 | 理化学研究所

少し古いニュースですが、ヤツメウナギなどの脳の発生過程を観察し、脳の各領域のほとんどが、5億年以上前にすでに成立していたことが明らかになりました。
人類は他の生物と比較して圧倒的な知性を発揮していますが、この起源は数億年前に遡ることが可能なようです。
脳の基本設計が、その間ほとんど変化していないというのは驚きです。

 

以下に、AIを学習するための、コースの割引クーポンをを掲載します。
今年の12/31まで92%Offで受講できますので、よろしければご活用ください。

 

みんなのディープラーニング講座 ゼロからChainerとPythonで学ぶ深層学習の基礎www.udemy.com

新しくリリースした、ディープラーニング(深層学習)初心者向けのコースです。
このコースでは、ニューラルネットワーク用のライブラリChainerを使用します。
Chainerはシンプルで優れた機能群を持っており、初心者でも直感的にコードを書くことができます。
難しい数学は可能なかぎり避けており、プログラミング初心者にも対応しておりますので文系や非エンジニアの方にもお勧めです。

 

みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習www.udemy.com

もうすぐ公開して一周年を迎える、誰にでも開かれたAI(人工知能)の講座です。
人工知能の学習に必要なPythonと数学を基礎から勉強し、一からニューラルネットワークを構築します。
機械学習ライブラリscikit-learnを用いて、文字認識や株価の分析なども行います。

 

実践データサイエンス&機械学習 with Python -統計学の基礎からビッグデータまで-www.udemy.com

Amazonで長年レコメンドシステムの開発に携わった、Frank Kaneが教えるデータサイエンスと機械学習のコースです。
Pythonを用いて統計学を基礎から学び、商品のレコメンドシステムや、簡易な検索エンジン、スパムメールのフィルタなどの構築も実際に行います。



これらのコースは全て日本語ですが、45カ国の皆さんに受講していただいております。
東京は大変寒くなってきましたが、皆さんのお住いの地域はいかがでしょうか。
お体に気をつけて、良い年末をお過ごしください。

今週のAIニュース

今週から隔週程度で、AI関連のニュースをいくつかピックアップしていきたいと思います。

1. SC17 - Green500の1~3位を独占したPEZY(前編)

news.mynavi.jp

日本が有するシンギュラリティの旗手であっただけに、今回の齊藤元章氏の逮捕は非常に残念です。
政治とは距離を置いた上で、齊藤氏の1日でも早い復帰を願っています。

 

2. グーグルの最新AI「AlphaZero」は、3つのゲームで人間を超えた──その実力と「次のステップ」

wired.jpAIが人の真似をして作り上げたアルゴリズムよりも、AIが独自に一から作り上げたアルゴリズムの方が優っていたという事例ですね。
いくつかの領域ではAIがヒトを凌駕することは明白なので、慎重さは必要かと思いますが、ヒトが担当していた領域をAIに移行していく流れになるかと思います。

 

3. 機械学習のトップカンファレンスで繰り広げられる、AI人材争奪戦

www.technologyreview.jpAI関連の人材の争奪戦が激化しているようです。
「年俸が30万ドルを超えるのは普通で、ときには100万ドル台になることもある。」とあり、これがどこまで本当かはわかりませんが、AI人材の需給バランスが崩れているのは確かなようです。

4. モナ・リザの微笑み:DNAナノ構造体の大規模な自己集合体に再現されたダ・ヴィンチの名作

www.natureasia.comDNAの自己集合で作られた8704ピクセルのキャンバス上に描かれたモナ・リザが、Natureの表紙を飾っています。
ナノマシンを作り出し制御する技術が発展すれば、シリコンベースの半導体を超えるとんでもないコンピューティング能力が誕生しそうな気がします。

 

5. バトルのアルゴリズムと大会の結果

news.mynavi.jp

二足歩行自律型戦闘ロボットのアルゴリズムが解説されています。男の子の夢ですね。

 

ブラックフライデーでの好調もあり、Udemyの講座の受講生数がとうとう1万人の大台をを超えました。
Udemyの講師を始めた当初は、1万人にAIを教える講師、を目標にしていたのですが、想定よりも早く目標を達成することができました。
様々な形でサポートしていただいた皆様のご協力が前提の結果ですので、皆様には感謝の限りです。

これからもAIで世の中を面白くするために、教育、研究活動を継続していきたいと思います。

Udemyの受講生数が1万人を突破しました

世界最大の動画教育プラットフォーム、Udemyで受講生数が1万人を超えました。

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 Udemyの講師を始めた当初の目標は、”1万人にAIを教えること”であったのですが、その目標を想定よりも早く達成することができました。

これまでに公開した3つの講座は全て日本語によるものなのですが、受講生は45カ国にもわたります(97%は日本国内)。レビューは1500件程度もいただくことができました。

次回作は、iOSアプリ開発のコースになります。キャリアとしてはこちらのiOSの講師の方がずっと長いのですが、これまでに培ったノウハウをぎゅっと凝縮したものにしたいと考えています。

年内の公開を目指して鋭意制作中ですので、楽しみにお待ちください。ちょっとだけAIの要素が入ります。

次は”10万人にAIを教えること”を目標に、より知的好奇心を刺激し、想像力を喚起できるような教育コンテンツを制作していきますので、皆様今後ともよろしくお願いいたします。